「衣装が体に合わない」「髪型を少し変えたい」「アクセサリーを自作したい」——これらをUnityだけで解決しようとすると壁にぶつかります。
Blenderを使えば、アバターの「形」そのものを変えられます。Modular Avatar(MA)は「着せる」ためのツールですが、Blenderは「形を作る・直す」ためのツールです。この記事では、VRChatのアバター改変でBlenderをどう使うか、導入から実際の改変手順まで解説します。
- VRChat歴:5年 / Blender歴:3年
- 改変実績:体型調整・髪型変更・衣装フィット・アクセサリー自作
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BlenderとUnityの役割分担を理解する
作業に入る前に、BlenderとUnityがそれぞれ何をするツールなのか整理しておきましょう。
| ツール | 役割 | できること |
|---|---|---|
| Blender | 3Dモデル編集 | 頂点・面を動かして「形」を変える。髪型変更・体型調整・衣装フィット |
| Unity | VRChat用セットアップ | ボーン設定・PhysBones・シェーダー適用・アップロード |
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Blenderのインストールと初期設定
インストール
1. Blender公式サイト(blender.org)から最新版をダウンロード
2. インストーラーを実行(デフォルト設定でOK)
VRChat改変向けの初期設定
Blenderを開いたら最初にこの設定を行っておくと作業しやすくなります。
単位をメートル系に設定(UnityはデフォルトでMKS単位系) 1. Propertiesパネル(右側)→「Scene Properties(シーン設定)」アイコン 2. 「Units」→「Unit System」を「Metric」に変更 3. 「Length」を「Centimeters」に変更 テンキーでの視点操作を有効化(テンキーがない場合) 1. Edit → Preferences → Input → 「Emulate Numpad」にチェック—
FBXをBlenderにインポートする
UnityのアバターをBlenderで編集するには、まずFBX形式で書き出します。
Unityから書き出す
1. Unityのプロジェクトウィンドウでアバターの `.fbx` ファイルを確認する
2. アバターのFBXが `.unitypackage` 内に入っている場合は、インポート済みの `Assets` フォルダ内を確認
3. FBXファイルを右クリック → 「Show in Explorer」でWindowsのフォルダを開く
⚠️ 元のFBXは必ずバックアップ
Blenderで編集したFBXをUnityに戻す際、元のファイルを上書きすると元に戻せなくなります。作業前にFBXファイルのコピーを別フォルダに保存しておきましょう。
BlenderにFBXをインポートする
1. Blenderを開く
2. `File` → `Import` → `FBX (.fbx)` を選択
3. FBXファイルを選んで「Import FBX」をクリック
インポート時の推奨設定:
– Scale: `1.00`(Unityと単位が合う)
– Apply Transform: チェックを入れる(スケールが正しく反映される)
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Blenderの基本操作(改変で必ず使う4つ)
改変作業で実際に使う操作は限られています。まずこの4つだけ覚えれば作業できます。
| 中ボタンドラッグ | 視点を回転 |
| Shift+中ボタン | 視点を平行移動 |
| マウスホイール | ズームイン/アウト |
| Tab | Object Mode ↔ Edit Mode の切り替え |
| G | 移動(Grab) |
| S | 拡大縮小(Scale) |
| R | 回転(Rotate) |
| Ctrl+Z | 元に戻す |
| テンキー1/3/7 | 正面/右側面/上面ビュー |
操作モードは主に2つ使います:
– Object Mode(オブジェクトモード):モデル全体を選択・移動
– Edit Mode(編集モード):頂点・辺・面を個別に編集(`Tab`で切り替え)
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よく使うBlender改変:3つのケース
ケース① 体型を微調整する(プロポーションシフト)
購入したアバターのウエストを細くしたい、脚を少し長くしたいなど、全体的なプロポーション調整に使います。
1. アバターのメッシュを選択して`Tab`でEdit Modeに入る
2. `A`キーで全頂点を選択
3. 左上のツールパネルから「Proportional Editing(プロポーショナル編集)」をON(`O`キーでも切り替え可)
4. 変えたい部分の頂点だけを選択(ブラシの影響範囲はマウスホイールで調整)
5. `G` → `Z`(Z軸のみ)などで移動
💡 Proportional Editingが体型調整の核心
プロポーショナル編集は「選択頂点の周囲も影響を受ける」モードです。影響範囲をマウスホイールで大きくすると体全体が滑らかに変形します。まずこれを試してみてください。
ケース② 衣装を体に合わせる(フィッティング)
購入した衣装がアバターの体型と合わない(はみ出る、浮く)場合に、衣装のメッシュを体に沿わせます。
1. 衣装のFBXをBlenderにインポート(アバターとは別ファイル)
2. 衣装のメッシュをEdit Modeで開く
3. プロポーショナル編集ではみ出ている部分を体の形に合わせて押し込む
4. `Alt+Z`(X-Rayモード)でメッシュを透過表示すると内部が見えて調整しやすい
ケース③ 髪型を伸ばす・形を変える
標準の髪型を少し変えたいときにBlenderで形を編集します。
1. アバターメッシュのEdit Modeに入る
2. 髪の頂点を選択(`B`キーでボックス選択、`C`キーでサークル選択)
3. プロポーショナル編集で先端を伸ばす・曲げる
4. 必要なら `Extrude`(`E`キー)で新しい頂点を引き伸ばして毛先を追加
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FBXをBlenderから書き出してUnityに戻す
編集が終わったら、FBXとして書き出してUnityに戻します。
1. `File` → `Export` → `FBX (.fbx)`
2. 書き出しオプション:
– Scale: `1.00`
– Apply Scalings: `FBX Units Scale`
– Apply Transform: チェックを入れる
3. 書き出したFBXをUnityの `Assets` フォルダに上書きコピー
4. Unity上でマテリアルが再適用されているか確認(ピンクになっていたらマテリアルを再指定)
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ウェイトペイントとは?(次のステップ)
衣装フィッティングの応用として「ウェイトペイント」があります。
ウェイトとは「各頂点がどのボーンにどれだけ追従するか」を示す数値です。衣装を着せた際に腕を上げると服がおかしな形に崩れる——こういう問題はウェイトが原因です。
Blenderの「Weight Paint Mode」でウェイトを直接ペイントして修正できます。詳しくは次の記事で解説します。
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Blenderはテキストより動画で学ぶと圧倒的に速い
ここまで読んで「実際に操作するイメージがわかない」と感じた方は正直な感想で、これはBlenderの宿命です。
3Dツールの操作は「文字で読む」より「手を動かしながら動画を見る」方が習得が早い領域です。特に以下のような内容は、テキスト記事では伝えきれません。
📚 動画(Udemy)で学ぶと理解が深まるポイント
- スカルプトモードで顔・体のシルエットを自然に整えるコツ
- ウェイトペイントの「自動ウェイト」と「手動修正」の使い分け
- 衣装のボーンをアバターのボーンに正確に移植する方法
- Blenderのシェーダーノードでテクスチャを改変してUnityに持ち込む
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