衣装を着せたのに腕を上げると服が崩れる。脚を動かすとスカートが体を突き破る。
この問題の原因はほぼ100%「ウェイト(Weight)」です。
ウェイトとはメッシュの各頂点が「どのボーンにどれくらい追従するか」を示す数値で、これが正しく設定されていないと動きに合わせてメッシュが崩れます。この記事ではBlenderのウェイトペイント機能を使って問題を修正する方法を解説します。
- VRChat歴:5年 / Blenderでのウェイト修正経験:50体以上
- この記事で解決できる問題:腕上げで服崩れ・膝曲げで貫通・フルトラで衣装がおかしい
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ウェイトとは何か?視覚的に理解する
ウェイトはBlenderで青〜赤のグラデーションで表示されます。
| 赤(1.0) | そのボーンに100%追従する。腕ボーンで赤なら、腕を動かすと完全についてくる |
| 青(0.0) | そのボーンにまったく追従しない |
| 緑(0.5) | 50%の影響。隣接するボーン間で滑らかに動くために使う |
衣装の崩れは「本来は腕ボーンで動くべき頂点が、胴体ボーンに影響されている」などのウェイトのズレが原因です。
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ウェイト修正の基本フロー
アバターに衣装を着せてウェイトがおかしい場合の標準的な手順です。
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アバター(参照元)と衣装(修正対象)を同じBlenderファイルに用意
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衣装メッシュにアバターのボーン構造を関連付け(ペアレント設定)
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「ウェイトの自動転写」でアバターのウェイトを衣装にコピー
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Weight Paint Modeで崩れる部分を手動修正
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FBXで書き出し → Unityで確認
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ステップ1:アバターと衣装を同じシーンに用意する
1. Blenderを開き、アバターのFBXをインポート(`File` → `Import` → `FBX`)
2. 同じシーンに衣装のFBXもインポート
3. 位置がずれている場合は衣装を選択して `G` → 座標を合わせる
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ステップ2:衣装にアーマチュア(ボーン)を関連付ける
衣装メッシュがアバターのボーンで動くように、アーマチュアとペアレント設定します。
1. まず衣装メッシュを選択(左クリック)
2. 次にShiftを押しながらアーマチュア(骨格)を選択
3. `Ctrl + P` → 「Armature Deform(アーマチュア変形)」を選択
⚠️ 選択の順番に注意
「衣装を先に選択 → アーマチュアを後から選択」の順番が重要です。逆にすると意図通りにならないことがあります。最後に選択したもの(アクティブオブジェクト)が親になります。
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ステップ3:ウェイトを自動転写する(最も重要)
アバターのウェイトを衣装に「コピー」する操作です。これだけで多くの問題が解決します。
1. 衣装メッシュを選択
2. Edit Modeに入り(`Tab`)、`A`キーで全頂点を選択
3. Object Modeに戻り(`Tab`)、Shiftを押しながらアバターメッシュも追加選択
4. `Ctrl + L` → 「Transfer Weights(ウェイト転写)」を選択
5. 左下に出るパネルで設定を確認:
– Mapping: 「Nearest Face Interpolated」を選択(最も精度が高い)
– Source: 「By Name」を選択(ボーン名が一致するものに転写)
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ステップ4:Weight Paint Modeで手動修正
自動転写でもまだ崩れが残る場合は、直接ペイントして修正します。
Weight Paint Modeの入り方
1. 衣装メッシュを選択
2. 画面左上のモードドロップダウンから「Weight Paint」を選択
3. アーマチュアも選択した状態にする(Shiftクリック)
ペイントツールの基本
| Add(追加) | ブラシをかけた部分のウェイトを増やす(より強くそのボーンに追従) |
| Subtract(削除) | ウェイトを減らす |
| Blur(ぼかし) | 隣接する頂点のウェイトを滑らかにする。境界が急激に変わって崩れる時に使う |
| Weight(値) | 0.0〜1.0。ブラシが一度で塗る強さ |
| Strength(強度) | ブラシの塗りの強さ。低いと少しずつ変化 |
よくある崩れパターンと修正方法
パターン①:腕を上げると脇周りの服が伸びる原因: 脇の頂点に上腕ボーン(UpperArm)の影響が強すぎる
修正: 上腕ボーンを選択 → 脇〜肩周りをSubtractで塗り、胴体ボーン(Spine)をAddで塗る
パターン②:膝を曲げると太もものメッシュが貫通する原因: 太もも内側のウェイトが下腿ボーン(LowerLeg)に影響している
修正: 太もも内側をUpperLegのウェイトでAddして固定する
パターン③:首周りが変な方向に引っ張られる原因: 首元の頂点がSpineと肩ボーンの両方に引っ張られている
修正: Blurブラシで首元のウェイトを滑らかにする
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FBXを書き出してUnityで確認する
ウェイトの修正が終わったら書き出します。
1. `File` → `Export` → `FBX (.fbx)`
2. 書き出しオプション:
– Apply Transform: ON
– Armature: `Only Deform Bones` にすると余分なボーンが省ける
3. UnityのAssetsフォルダに上書き
4. Unityでアニメーションを再生してウェイトが正しく動くか確認
💡 確認はUnityのAnimationプレビューで
Unityで確認する際は、VRChatにアップロードせずともAnimatorコンポーネントのプレビュー機能で腕上げ・膝曲げのモーションを再生して確認できます。アップロード前に必ず確認しましょう。
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ウェイト修正はBlenderの中でも難易度が高い
ここまで読んで「思ったより複雑だな」と感じた方は正直な印象です。ウェイトペイントはBlender操作の中でも特に習得に時間がかかる領域で、「なぜここが崩れるのか」を直感的に理解するには、ボーンの仕組みとアニメーションの関係性を体で覚える必要があります。
テキスト記事では「どこを塗ればいいか」は伝えられますが、「どうペイントすると自然な動きになるか」のニュアンスは動画で見ないと分かりにくいです。
📚 Udemyで習得が速くなるポイント
- 「自動ウェイト」が失敗する原因とその回避方法
- 複数ボーンが重なる関節部分(肩・股関節)のウェイト設計の考え方
- ウェイト転写が上手くいかないケースの代替手法
- スカートなど布メッシュのウェイトとPhysBonesの組み合わせ
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